2016年8月20日土曜日

白粉花の色水

僕の記憶は、いくつもの事物が重なり、所々溶けて、境目がわからなくなります。
それぞれ記憶の重要性とは関係なしに、そのようなことが起こるようです。
新しい記憶は古い記憶の沼に沈み、何かのきっかけで、再び表に出てくることを待っています。

今日も東京は、時折雷雨に見舞われました。
窓ガラスには横殴りの雨が、無数の縦縞を作っています。
僕はただそれをぼんやりと見ながら、白粉花で作った色水のことを思い出していました。