2010年8月29日日曜日

パンの匂い

子どもの頃に住んでいた街に行ってきました。
車では時折通るのですが、歩くのは久しぶりです。

だいぶ様子が変わったなぁと感じていた矢先、懐かしくて甘い匂いがしてきました。

そういえば、通っていた小学校の近くには大きなパン工場があり、夕方になるとこの小さな街は、パンの香りに包まれるのでした。

放課後のベランダから見た校庭。
走り回る少年に踏まれて、かすれてしまった石灰の線。
それを見ている小さな自分。

パンの匂いが時間を逆流させ、どこか頼りない気持ちになりました。

2010年8月28日土曜日

張りぼての記憶

何かを思い出そうと、朝まで起きていることがあります。

漠然としているので、はじめは特に何も出てこないのですが、靄がかった記憶をうろうろするうちに、それが次第に輪郭をもちはじめます。

そうやって生まれた張りぼての記憶は、精巧に改ざんされた記憶よりも、僕には親しげに思えるのです。


幕内政治さんのex-chamber museumにNICHE GALLERYでの個展のレビューを載せていただきました。
僕は展示風景をあまり熱心に記録する方ではないので、こういったかたちで残していただけるのはとてもありがたいです。

2010年8月27日金曜日

欠けた月

部屋の蛍光灯を新しくしたので、ベットに横たわって調子を見ていたら、つけっぱなしで眠ってしまいました。
目覚めるとやや頭がきしみ、ため息がでます。

蛍光灯を休ませて、カーテンを開けると、少し欠けた月がでていました。

完璧さを求めると納得のいかないことが多すぎるようです。
こんな睡眠でも受け入れるしかないのですね。

頭痛も直に治まるはずです。

2010年8月23日月曜日

自立した絵

アトリエで見る作品と、展示会場で見る作品は、どこか様子が違います。
アトリエでは僕に悩みを打ち明けるのに、展示されると澄まして僕の方に目をむけません。

そうやって自立していった作品を見ていると、僕は無性に次の絵を描きたくなるのです。

NICHE GALLERY での個展にお越し下さった皆様、誠にありがとうございました。

2010年8月17日火曜日

揺れる境界

ここ数日、暑い日が続いていますね。
街の空気が熱をはらみ、身体にまとわりついてきます。

空気と身体が触れるのをはっきりと感じることができ、その境界が揺れるたびに暑さを感じるようです。

2010年8月15日日曜日

身体と空のこと

午後五時、電車に揺られていると、不意に視界がひらけ、建物の間から空が見えました。

低い太陽に強く照りつけられ、透明感を増した雲は、光を受け止めきれず、雲と地上は光の帯で繋がります。

多くの場合、僕の生活や制作は身体を尺度としていますが、空模様の変化を目前にしたとき、僕の身体は消えてしまい、尺度を空にあけわたしてしまうように感じます。

僕は空をよく描くのですが、すべて想像で描きます。
それは現実の空を、自分の身体では測ることができないからです。

2010年8月11日水曜日

既知の地平

8月16日から「既知の地平」というタイトルで個展が始まります。

現状に閉塞感を感じることがありますが、既知という壁に向かい合って制作することで、未知の広がりを見つけたいと思い、このタイトルをつけました。

場所時間等の詳細は、ホームページのexhibitionにのせましたので、そちらをご覧ください。

2010年8月4日水曜日

お知らせ

「メンタルマップ」

既知のA地点からB地点まで移動する。した。
AB間をつなぐ未知の線ab。
未知だった線abと未知であり続ける線abを描いた。


3日から府中市美術館市民ギャラリーで中径展というグループ展が始まりました。
上記の文が自分の作品内容です。

場所時間などの詳細はホームページのexhibitionに載せました。
よろしくお願い致します。