2014年10月14日火曜日

白黒の蜘蛛

僕の部屋には白黒の蜘蛛が住んでいます。時折姿を見せ、様子を目で追っていると、するするとどこかに消えていきます。

台風が過ぎ去ったあと、玄関の吹きだまりには、落ち葉や空き缶に混じって、乾いた蝉がころがっていました。
夏と秋が繋がり、直に冬へと移行していきます。そのときにはこの蝉も消えてしまい、僕は取り残された気持ちになるでしょう。

窓からは金木犀の香りを孕んだ風が吹き込みました。
カーテンの裏にいた白黒の蜘蛛は驚き、自らの細い糸でゆらゆらと揺れています。