2010年11月30日火曜日

川原の台

川岸の道を歩いていると、高さ70センチ程の、コンクリートの台があります。

何度か通った道ですが、前には気がつきませんでした。
夏には、背の高い雑草に隠れていたのでしょう。

そこに腰をかけ、一息つくことにしました。頭上にはドーナツ型の雲が浮かんでいます。

東に見える雲の下には、きっと海があるでしょう。

夕方になったので、西にある家に帰りました。

2010年11月25日木曜日

部屋の住人

部屋に戻ると、窓際の植物が床に落下していました。

彼らの仕業では決してありません。

2010年11月22日月曜日

午後三時の河川敷で、少年たちが野球の練習をしています。
行き来する黄ばんだボールを見ながら、かつては僕も彼らの一人だったことを懐かしみました。

この河川敷にはたくさんの蟹がいます。
子どもの頃、川の近くにある穴を掘り起こしてよく捕まえたものです。

ある日、いつものように小さな蟹を追っていると、不意に指を挟まれました。

小さな身体ですが、その鋏には、大きな力があるのです。
慌てて身体を引っ張ると、鋏と身体が離ればなれになってしまいました。

指に残った鋏のことを今でもよく覚えています。
地面に叩き付けられた蟹は僕の指に鋏だけを残し、よろよろと穴を探しました。

それ以来、蟹を捕っていません。

ボールを後ろにそらした少年がそのときの自分と重なりました。

2010年11月19日金曜日

秋の日

暖かい部屋から空の様子を見ていると、大きなカラスが北の森に向かっていきました。
北の森にはカラスの巣があります。
そこは昼間でも薄暗く、木に囲まれているせいか、カラスの鳴き声がよく響くのです。

年老いたカラスの身体に落ち葉が積もっていき、じきに姿が消えてしまう。
そんな甘美なイメージを反復していたら、一日が過ぎました。

久しぶりにゆったりとした気持ちです。

Shonandai Galleryでの個展にお越しいただいた皆様、ありがとうございました!

2010年11月16日火曜日

襟巻き

マフラーのことを襟巻きと呼んだら、おじいさんみたいだねと、少し笑われました。
最近では、あまり使わない言葉なのかもしれません。

昨夜の雨から街の空気が冷え込んできたように感じます。

2010年11月10日水曜日

住みたい住めない住処

11日から六本木のShonandai Galleryさんで個展を開かせていただきます。
時間、場所などの詳細は、ホームページのexhibitionに載せましたので、そちらをご覧ください。

展覧会の題になっているように、住居をテーマにした展示です。

よろしくお願い致します!

2010年11月5日金曜日

珈琲とバッテラ

眠気覚ましに珈琲をいれたあと、何か食べ物がないかと冷蔵庫をのぞきました。

バッテラがあります。

珈琲もバッテラも好物ですが、いかにも相性が悪そうです。

僕は様々なものを組み合わせて絵を描いています。
もしかしたら、珈琲とバッテラのようなものを人に食べさせているのかも知れません。


弱気な心を打ち消すために、珈琲とバッテラを合わせて食べると、あまりの不味さにすっかり目が覚めました。