2010年3月30日火曜日

帰り道の出来事


絵の具を買いに上野まで行ってきました。
上野公園の桜は六分咲きといったところでしたが、花見客でとても賑わっています。

桜の様子をひとしきり見たあと、作品の構想でも練ろうと思い、帰り道は歩くことにしました。
道はわからなかったのですが、電車で渡る3本の川を越せば家に着くだろうと思い、橋を探しながら進みました。

新しい街には人の気配がなく、古い街には気配を感じました。街と人がなじむのには、時間が必要なのだと思います。

三時間程歩いたのですが、その間に二度、人と言葉を交わしました。
一度目は僕が「ここはどこですか?」と交通整備の人に尋ね、二度目は男性に「警察署はどこですか?」と聞かれました。

もちろん僕も警察署の場所を知りませんが、その人には知っているように見えたのですね。
やや考えてから、わからないと伝えました。

そのあと、彼が警察署を探す理由について考えました。
落とし物なら交番でいいはずだし、自首するにしては落ち着いていましたので、おそらく落とし物と自首との中間の出来事が彼に起こったのだと思います。

袖振り合うも他生の縁という言葉を思い出しました。
交通整備のおじさんや警察署を探していた彼が、明日は道に迷っていないことを願います。

2010年3月25日木曜日

お疲れ様の張り器


作業中にキャンバス張り器が壊れました。初めて購入した自分用のキャンバス張り器です。10年間使いました。

壊れた張り器をながめながら、絵を描き始めてから10年間たったことに気がつきました。
うまくなりたい一心で描いていたら、あっという間に10年です。

今は進むだけで、振り返るようなことは何もありませんが、美術がすごくおもしろいことはわかりました。
自分にどれだけのことができるのか、試してみたいです。

明日、次の張り器を買いに行きます。楽しみです。

2010年3月22日月曜日

散歩とキャンディ

となりの町まで電車に乗りました。
普段は歩いて行ったり自転車で行くのですが、今日は電車です。
何か変わったことがないか、パトロールするように車窓から外を眺めました。

幸い何の異常もなく次の駅につき、改札を出てとりあえず東の方に向かいました。

知ってる道から知らない道に入り、また知っている道に出ると、あの道とこの道は繋がっていたのかと驚くことがあります。

今日は歩きながら、キャンディという言葉について考えました。
言葉自体が透明感のある、鮮やかな色彩を持っていると感じます。

2010年3月18日木曜日

名もなきパンダ


ある日、歩道橋の上でパンダと出会いました.

目が離せなくなりました。

おそらくパンダの割れた部分にセメントを埋め、棒でわからないようにつなげたのでしょう。
一見ごまかせますが、人の心に違和感を残します。

ミッフィーには鼻がなく、キティには口がありません。

作者はこのパンダに鼻も口もつけませんでした。
強い意欲が伺えますね。

大昔の絵描きは作品にサインすら入れなかったそうです。そういった無名の作家たちの熱い作品に胸を打たれる事があります。
もしかしたらそういった精神は現代でも生き続けているのかもしれません。

2010年3月15日月曜日

貝殻と三月の海のこと


海に行ってきました。
三月の海はまだまだ寒く、陽気な姿を見せてはくれませんでした。岩場で小さな貝殻を集めながら、家に帰ったら明るい気持ちになれるような絵を描こうと思いました。

その日、無数にある貝殻のうち100個程を拾い上げ、20個程を袋に入れました。

2010年3月11日木曜日

待ち受け画像の神秘

少し古い話題ですが、パワースポットというものが流行していました。
ある井戸には、中をカメラ付き携帯電話で撮影し、待ち受け画面にするために、行列までできていると聞きました。

井戸の底を待ち受け画面にするのは何か意外性がありますね。
しかも大勢の方がそうしているなんて不思議な現象です。

作品の香りのする神秘的な出来事には心が躍ります。

2010年3月9日火曜日

メジロの気持ち

最近では春を感じさせるほど暖かかったり、冬が戻って来たように寒かったりを繰り返していますね。
部屋の外では冷たい雨が降っています。

もう春だと思いこみ、庭に来ていたメジロは、寒くないのでしょうか。
つぼみを解いた花や地面から出て来た虫たちは正式にやってくる春まで我慢できるのか、気がかりです。

街ではすでに春のコートを着ている方も多いようです。
メジロの気持ちがわかるのかもしれません。
僕も明日は薄いコートで出かけようと思います。

2010年3月6日土曜日

シャガールと魚


先日、水族館に行きました。

海の生物たちは水中を漂い、泳ぎ、浮遊するように生活していましたが、自分は陸の上に張り付き、空を持て余していると感じました。水族館にいるとシャガールの作品を思い出します。
8年程前東京都美術館でシャガール展をみました。あらゆるものが宙に浮かび、それぞれが複雑な色彩で描かれていました。行ったことのない寒いロシアをみた思いでした。
シャガールは水中の世界に憧れたのではないでしょうか、釣り人は陸上から水中の地図を描くそうです。