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2014年2月9日日曜日
『夜の虹彩』
瀬名秀明さんの短編集『夜の虹彩』の装画を担当させていただきました。
ふしぎ文学館シリーズの51作目となります。
現実の側にある不思議に、心がひんやりする本です。
カバー装画には2010年に制作した「ノスタルジア」という作品を使っていただきました。
擬人化した枯れ木が大きな風景を抱いており、周辺には人が居た痕跡があります。ノスタルジックな物語をイメージした作品がこのように小説の装画となり、書店に並んでいることが、自分にはとても不思議です。
よろしくお願いいたします。
出版芸術社 ふしぎ文学館 『夜の虹彩』瀬名秀明 著
2014年2月1日土曜日
冬の音
夜の地下道を歩いていると、どこか遠くの方から、水の流れる音が聞こえてきます。
そちらに気を取られていると、目の前を鼠が無遠慮に横切りました。
気力を奪われた僕は、周りに人が居ないことを確認してから、何となく水の音を追うように、口笛を吹きました。
なぜこの道はこんなにも暗いのでしょう。東京は輝きを取り戻しているはずなのに、この道は未だ悲しみの中にあります。
地上に上がると、そこには川が流れていました。近くのオフィスには、フロアの所々に、残業をしている灯りが点り、それが川面に揺れています。
それぞれの役割を持った灯りが点っていますが、僕にはそれを知る由はありません。
外気は痛いほどの冷たさにもかかわらず、ポケットに突っ込んだ手が汗ばんでいます。
僕はため息を飲み込み、踵でアスファルトを打って、人通りの少ないビルの間に、足音を高く響かせました。
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