2011年11月29日火曜日

今日の出来事

最近は朝早く目が覚めます。今日も午前7時に起きました。
午後2時頃まで絵を描いたあと、気分転換をしようと、本棚から何の気なしにナイン・ストーリーズを取り出しました。
一編目のシーモアが死んだところで早くも眠くなり、窓際に掛かっていたコートを引っぱり、身体に巻き付けてソファーで眠りました。

目が覚めると、外は日が陰っています。
ちょっとした怠さを感じ、何か飲もうと冷蔵庫を開けると、牛乳とグレープフルーツジュースしかありません。どちらも飲みたくなかったのですが、仕方なく牛乳を飲むことにしました。喉に張り付くような気がしましたが、グレープフルーツジュースを選んでいたところで、きっとおいしいとは感じなかったでしょう。
こんなときは何をしても、何を選んでも結果は同じなのです。

風呂に入りながら、ぼんやりとシーモアのことを考えました。

フラニーとゾーイーを開いています。
なんだか学生の頃に戻ったような一日でした。

2011年11月28日月曜日

新しい手帳

年内の予定を消化し、新しい年の手帳を買いに行きました。
ここ数年、同じデザインの手帳を使っています。
小さくて薄いものですが、僕の生活には充分なのです。

帰りに喫茶店に入り、いくつかの事項を買ったばかりの手帳に書き加えました。

NICHE GALLERYでの個展「遠近」にお越し下さった皆様、誠にありがとうございました。

2011年11月24日木曜日

並走する電車

昼下がりの電車。揺れる車内。遠いアナウンス。
建物の間をぬい、いくつかの橋を渡り、大気をかき分け走ります。

遠くの雲を見ていると、だんだんと視点が低くなり、気がつくと暗いトンネルに潜っていました。
車窓には車内の風景が映ります。
並走する逆転した電車。そこに乗っているもう一人の僕。

周りに気づかれないように左手をゆっくりと挙げました。
もう一人の自分が右手を挙げたのを確認すると、なんだかため息がでたのです。

2011年11月21日月曜日

怪魚の背中

夕方の驟雨が街を黒く濡らしました。
街灯やヘッドライトに照らされ、道は魚の背中のようにぬらりと光ります。

突如現れては、水中に深く潜ってしまう、国芳の怪魚。
一緒に駅へと向いました。

2011年11月20日日曜日

嵐の街

ワイパーがフロントガラスに吹き付ける雨を、端へ端へと押しやります。
今日の天気は嵐です。
左右に振れる棒が通過した瞬間、前方の風景を確認することができます。
それを目で追っていたら、少し気分が悪くなりました。

車から降り、傘を両手でしっかり握って、街路樹が大きく揺れる街を歩きます。
水たまりに入らぬよう、傘が裏返ってしまわぬよう、荷物が濡れぬよう。
いくつかのことに注意をはらっても、実現できる事項はそんなに多くはなく、僕が雨から守れたものは傘ぐらいのものでした。

建物に入る前に小さなタオルで服やバッグを拭います。
グレーのジャケットについた雨粒の形が消えることはありません。
時間だけしか解決してくれないのです。

2011年11月15日火曜日

「遠近」

午前4時。長い11月の夜。東京のはずれ。
アトリエにはテレピンと珈琲の匂いが混ざり合い、漂います。

くたびれた商店街、住宅街。
何度か引っ越し、何カ所かの場所に習慣的に通いました。

本棚に目をやると、背表紙に記された画家の名前が見えます。
本を開けば、彼らの風景があるでしょう。

ベランダに出ると、其処には冷たい空気と白く小さな月が一つ浮かんでいます。
アトリエを覗くと、其処にも月が一つ。

絵にはそれぞれの時間、場所があります。
次第に絵は輪郭を失い、窓外に溶けました。

おちこち。


個展 「遠近」

会期 11月18日〜26日(日曜休廊)
時間 11時から18時30分
会場  NICHE GALLERY
中央区銀座3−3−12

http://nichegallery.jp/exhibition.html