早朝、電車で本を読んでいたら、辺りが急に暗くなりました。
本から目を上げると、ジャージを着た背の高い若者たちに囲われています。胸にはバレーボールのイラストが描かれていました。
楽しそうに戯れ合う二人組。椅子に座って携帯ゲームをしている青年。窓ガラスで頻りに前髪をなおしている青年。やっていることは様々ですが、皆一様に背が高いのです。
同じ駅で下車した私たちはそれぞれ逆の出口に歩いていきます。
僕は仕事に向い、彼らは試合に向います。
夜のホームで帰りの電車を待っています。彼らの姿はありません。