2011年1月15日土曜日

あれこれその絵

5つの電車を乗り継ぎ、大きな神社のある街まで行きました。
境内にある美術館が目的地です。

建物自体は厳格な形なのですが、中心の広場にイサムノグチの「こけし」という可愛らしい彫刻が設置されており、それがそのままこの美術館の印象になっています。

展覧会は美術における人間の表現を、大正、昭和の洋画を中心に追っていくものでした。
この年代の作品には汗ばむような、独特の湿度があります。

松本竣介の「立てる像」を見ていたら、知らぬ間に10人ほどの子どもたちに囲まれていました。
口々に「これだよ、これ!」と話しています。
教科書に載っていたのでしょうか。

心の中で「そうだよ、これなんだよ」と彼らに話しかけました。
僕の使った教科書にも、この絵が載っていたことを覚えています。

しばらくして、散り散りになった子どもたちは、ガラスの扉に吸い込まれるように姿を消しました。