2011年7月1日金曜日

停電と鳴かない蝉

激しい雨の中、どこかに雷が落ちて、停電しました。
静まりかえった廊下、雨音も雷鳴も聞こえなくなります。
聞こえなくなった気がしました。

週の初め、京都に行ってきました。
真夏のような暑さでしたが、木々に囲まれた寺院ではまだ蝉が鳴いていません。

5秒ほどたち、再び電気が点ります。
雷鳴が轟く中、シャワーで汗を流しました。
目を閉じると、遠くで蝉の声が聞こえます。

聞こえた気がしました。

2011年6月26日日曜日

夜明け前

午前3時、この頃の夜明けは早い。

さっきまで降っていた雨はもうやんでいます。
とても静かな夜です。

耳を澄ますと鼓膜を押し込む、電波のような気配を感じました。
とても大きくて、それでいて空虚な存在です。
漠然とした不安を感じ、それから逃れようとして、足を動かすと、ベッドが軋みます。
ギ、、、ギギ
意識をすればするほど、ベッドは鳴ります。

これ以上、音をたてていても仕方がないので、ひとまず眠ることを諦めて、台所に向いました。
冷蔵庫の扉を開けると、とても眩しくて、僕はまぶたを閉じます。

グラスに牛乳。
素足に廊下。
新聞配達、カラスの声。
電車が鉄橋を渡り、そろそろ夜が明けます。

2011年6月25日土曜日

窓際のモンステラ

昨日までの暑さが今日はお休みで、扇風機は湿気の多い空気をゆったりとかき混ぜています。
僕は今日も本を読んでいます。もう一ヶ月、それ以外のことはしていません。

風に揺れるモンステラ。
茎は天井に伸び、先端で大きな葉を広げます。垂れ下がる気根は暗闇の中を手探りで進むように、彷徨いながら地面を目指しています。
真逆のベクトルに引き裂かれて、中身が空っぽになった、かわいそうなモンステラ。

最近、へその少し上の辺りがモヤモヤします。

2011年6月24日金曜日

近所の魚

一年ほど前から、日本でとれる淡水魚を飼い始めました。
近所の大きな池では、タナゴ、フナ、クチボソがたくさんかかります。
地味な淡水魚ですが、流木の間をぬける素早い動きは、涼しげです。

今年は体色が鮮やかなオスのタナゴを、もう少し増やしたいと思っています。

ここのところ、暑い日が続いていますね。
アイスコーヒーばかり飲んでいます。

2011年6月20日月曜日

裸足の男

駅のホームで本を読んでいると、裸足の男が階段を下りてやってきました。
彼は何食わぬ顔で、黄色い点字ブロックの上を歩いています。
足下のほかに変わった様子はありません。

以前、電車の座席の手前に、きちんとそろえられ、置き去りにされた靴を見たことがあります。

うっかり傘を忘れるように、靴を忘れてしまう人もいるのですね。

2011年6月15日水曜日

雨宿り

午後になって目が覚めました。
昨夜は仕事のきりが悪く、就寝が遅くなってしまったのです。
今日は用事を済ませるために外出しなくてはなりません。簡単に身支度をし、電車を乗り継いで遠くの街まで出かけます。

いくつかの用事を済ませ、通りに出ると、雨粒が手の甲に当たりました。
この時期は予報になくても、さっと道を湿らすように雨が降ることがあります。
折り畳み傘を持っていたのですが、広げるのが面倒に思えて、近くの喫茶店で雨宿りをすることにしました。
扉を開けると鈴の音が高く響きます。何だか薄暗い喫茶店です。小さなライトがそれぞれの席を遠慮しがちに照らしています。

温かい珈琲を注文し、外を眺めていると、珈琲がテーブルに届く前に、外の雨はすっかりやんでしまいました。
雨上がりの通りを仕事帰りの人々が駅に向って歩いていきます。
早々に目的を失った僕は、落ち着かない気持ちでそれを飲み干し、足早に店を出ました。

2011年6月12日日曜日

時間について

秒針が時を刻む音が聞こえます。
外からでしょうか、僕の部屋には時計がありません。

気になって窓を開けると、静かに雨が降っています。
雨だれの音でした。
ただそれだけのことです。

最近は部屋で本を読んで過ごしています。
気がつくと一日が終わっているのですが、部屋に時計がないことと関係しているのでしょうか。