2011年6月15日水曜日

雨宿り

午後になって目が覚めました。
昨夜は仕事のきりが悪く、就寝が遅くなってしまったのです。
今日は用事を済ませるために外出しなくてはなりません。簡単に身支度をし、電車を乗り継いで遠くの街まで出かけます。

いくつかの用事を済ませ、通りに出ると、雨粒が手の甲に当たりました。
この時期は予報になくても、さっと道を湿らすように雨が降ることがあります。
折り畳み傘を持っていたのですが、広げるのが面倒に思えて、近くの喫茶店で雨宿りをすることにしました。
扉を開けると鈴の音が高く響きます。何だか薄暗い喫茶店です。小さなライトがそれぞれの席を遠慮しがちに照らしています。

温かい珈琲を注文し、外を眺めていると、珈琲がテーブルに届く前に、外の雨はすっかりやんでしまいました。
雨上がりの通りを仕事帰りの人々が駅に向って歩いていきます。
早々に目的を失った僕は、落ち着かない気持ちでそれを飲み干し、足早に店を出ました。