2015年11月6日金曜日

街中のクルミ

夜の繁華街で探し物をして歩きました。

殻に包まれたクルミが見つかりません。
この街はものに溢れているようで、本当に必要なものが手に入らないのです。

やけに明るいペットショップに入り、かわいい子猫たちのケースを抜けて、小動物の餌の棚に向いました。
そこには殻から取り出されたクルミがあります。
最近ではリスですら、自分でクルミの殻を割らないのでしょうか。

スペインの古い静物画の中にある、人々の生命を支えるクルミが欲しいのです。

僕は胸中の空洞に靴音を響かせながら、地下鉄のホームに向いました。