2011年12月21日水曜日

色と記憶

町工場の二階の窓が開いています。
電車から見えた、三河島の風景です。

窓辺には黄色と青のブラウスを着た女性が立っています。
こちらからの視線にはまるで気づかずに、華奢な水差しで花に水やりをしています。

この光景を見たのはまだ僕が大学生だった頃です。
町工場の煤けたグレーとブラウスの色との対比が鮮烈で、今もそこを通るたびに、目が彼女を探してしまいます。