風呂上がり、鏡の前で髪を乾かしていたら、不意に自分の顔が、見知らぬ顔に思えました。
そんな時は、どこか所在ない気持ちになり、鏡から目をそらします。
部屋で、身近な人たちの顔や声を、順に思い出しました。
ぼんやりとならわかるのですが、しっかり思い出そうとすると、逆にぼやけてきて、ついにはわからなくなります。
一度わからなくなると、次には思い出せなくなりました。
印象以上のことは残らないようです。
なんだか心が宙ぶらりんになりました。
普段僕は、想像で絵を描くことが多いです。
せめて絵では、間違えてもいいから、はっきり描きたいと思いました。