2016年11月18日金曜日

個展の後


個展「幸福な選択」は11月4日をもって、無事会期を終えることができました。ご来場くださった皆様、また多くのお心遣いを誠にありがとうございました。

展覧会終了後、数年ぶりに風邪で寝込みました。
その間いくつかの妙な夢を見て、目が覚めたときには、シャツが汗で身体に貼りついていました。
ぼんやりとした意識の中、着替えをしながら、現在の自分にとっての関心事は何であるのかを考えました。

生活をしていれば当然環境は変動し、それに伴って関心は様々に移ろいます。
私はその移ろいを幾重にも重ねて、絵にしたいと考えました。
そうすることで、時間軸や場所、主体客体の設定は入り組み、益々洗練とは程遠い方向に進んでいきます。
制作においての客観性を持つどころか、私自身が描くことで新しくその絵と出会っているのです。
そのため、私が自作について語っていることは、私が自分の絵に語られていることを話しているに過ぎないとも言えます。
現在を描くためには過去を描くだけではなく、未来という不確定な要素が必要なのかもしれません。

新しいシャツは冷んやりと身体を包み、汗が引いたのと共に、頭痛もだいぶおさまったようです。

私の考えを信じて応援してくださる方がいることに驚くとともに、感謝しています。
年内の展示はこの個展で終了です。今年も一年間、誠にありがとうございました。