編集部の方のご厚意に感謝しております。
古い美術雑誌を読んでいると、小さな図版に目が釘付けになることがあります。それが例えモノクローム印刷だったとしてもです。
時の経過という厳しい風に晒されながら、今なお魅力を放つことに胸を打たれるのです。
僕はそのような体験を繰り返しながら、絵に入り込んでいったように思います。
部屋で小さな情報を紡ぎ合わせて、胸を高鳴らせていたのです。
いまだに美術館にいくと緊張します。
実物の絵はいつでも一つで、揺るがないからです。
僕の描く絵も同様に一つですが、このように紙面に載せてもらうことで、もう一つの顔を得ることができたように思います。
もう一つの顔が、実際の作品への入り口となってくれることを強く望みます。
生活の友社 「アートコレクター」二月号 12月25日発行
「美術の窓」一月号と合わせて、是非ご覧になってください。よろしくお願い致します。