2011年2月27日日曜日

雪まつり

近所で雪まつりをやっていました。
毎年この時期に、新潟からトラック何台分もの雪を持ってきて、かまくらや滑り台を作ります。

いくつか疑問はありますが、子どもたちが喜んでいるので、いい催しには違いありません。

2011年2月25日金曜日

春風

春一番が吹きました。
10日ほど前に雪が降ったのが、嘘のような暖かさです。

水槽の水草や流木に隠れていた魚たちは、陽気に誘われ、活発に動きだします。
一冬越えて、少し大きくなったようです。

絵は少し休憩し、窓を開けて本を読みました。
寒くはありません。ただ頬を滑らかな風が撫でていきます。

僕にとっても春の訪れは好ましいことなのです。

2011年2月20日日曜日

浮かぶ音、絵

電車から、川辺でトランペットを吹く青年が見えました。

彼には他に吹く場所がないのでしょう。
誰に聴かせるでもない音は、宙に浮かび、いずれ消えてしまいます。

昨日、以前通っていた古い喫茶店が解体されました。
窓ガラスや木材と一緒にキャンバスが放置されています。

絵は裏返しになっていましたが、おそらくソファーの後ろに掛けられていた風景画でしょう。
僕は悲しくて、拾って帰りたかったのですが、すぐに思い直しました。

聞こえるはずのないトランペットの音が響きます。
放置された絵は川の上でトランペットの音と出会うのですね。

2011年2月17日木曜日

正しい手の洗い方

風邪が流行っているようです。
区が管理している施設で手を洗おうとしたら、正しい手の洗い方のプリントが掲示されていました。
手の洗い方にまで正しさがあるのですね。

よく読んでみると、時間をはかるため、ドレミの歌を歌いながらやりましょうと書いています。
早速実践してみようと指先から洗い始めました。

ドはドーナツ、レはレモン、ミは何でしょう。
ミでつまずいてしまい、そこから進めません。
手はきれいになったのですが、心にもやもやしたものが宿りました。

正しい行いは時に困難です。

2011年2月15日火曜日

キリンと雪

雨音が聞こえなくなったと思ったら、外は雪に変わっていました。

今日の雪には迷いがありません。
時が経つにつれ、街から角が消えていきます。
明るい夜です。

外からどすんと大きな音が聞こえました。
屋根から雪が落ちたのですね。

大きな動物が倒れたような音です。
キリンや象の上に雪が積もっていきます。

彼らにとって日本は寒すぎるでしょう。
身体を寄せ合い眠っています。

2011年2月11日金曜日

雪景色


寒い日が続いています。
この街にも朝から雪が降り始め、午後には屋根にうっすらと積もり始めました。

今日は一日中、部屋で作業ができます。
はらはらと落ちる雪を眺めていると、このまま街が真っ白くなればいいのにと思うのです。

ますます雪が積もります。
ふと、外で働く人が思い浮かびました。
暖かい部屋で雪景色を望むことは身勝手なことなのかも知れません。

2011年2月8日火曜日

午前4時

夜が深くなればなるほど、朝に近づいています。
午前4時、風が戸を揺らす音しか聞こえません。
電気を消した部屋では、パソコンの画面がやけに眩しく感じます。

もう少しすると、カーテンの隙間が薄い青になり、僕も眠ることができるでしょう。

2011年2月2日水曜日

蟻とチョコレート

僕は夜中にチョコレートをよく食べます。

夏になったら蟻を飼おうと思っているのですが、蟻はチョコレートを食べないそうです。
水に溶いたハチミツや死んでしまった蚊が好きだと聞きました。
立派な巣をつくるでしょうか。

2011年2月1日火曜日

飛べない鳥

ホームへの階段を上っていると、向かい側からたくさんの人が勢いよく降りてきました。
電車は行ってしまったのでしょう。僕は階段の端に寄り、彼らが通り過ぎるのを待ちました。

ホームにあがると、太った鳩が、誰も座らないベンチの側で何かをつついています。
これ以上食べると飛べなくなりそうです。

この街にはたくさんの猫がいるし、たまには犬だって小屋から抜け出すかも知れません。
飛べない鳥には居場所がないのです。