2014年7月1日火曜日

個展『街の背中』が、6月29日に終了しました。
今回の個展では、街に住む人々の営みを描いたポートレイトシリーズや、現実と絵画を繋ぐ立体作品を、初めて展示しました。

展示タイトル『街の背中』とは、街の表面にある、住居や店舗などという機能的な部分の裏側をあらわしています。街の機能的な部分を「街の顔」とし、その裏にある街の気配を「街の背中」と名付けたのです。

そして個展の出品作には、「街の顔」に顔がないのであれば、「街の背中」に顔があるのではないかという仮定をもとに、すべてどこかしらに顔を描き出しました。

顔を描けば描くほど、僕は街の中に入り込み、よく知った街の外観を望む視点から離れていきました。
内部はとても余所余所しく、僕はそこに居場所を見つけるために、自分の中を探りました。自分の中には他者がいて、彼らはとても自分と似ていたのです。

僕の視点や仮定は、あまりにも私的なものかもしれません。しかし、僕は自分の描いた人々や建物は、他者の心の奥に眠っているという可能性を信じています。

ご高覧してくださった皆様、また、僕の絵を信じてくださっている方に、ここで感謝の気持ちを伝えたいと思います。

誠にありがとうございました。