2012年1月8日日曜日

割れた鏡を元に戻す

部屋の絵を描いています。
去年の個展に出品しようと思い、制作していたものです。
直前に出品をとりやめたので、一度は未完のまま放置していたのですが、最近再び描き始めました。

部屋の壁に絵を立て掛けていると、時折、絵が話しかけてきます。
絵は気まぐれで、僕は振り回されながらも、その声にしたがって筆を動かすのです。

2008年、初個展のタイトルを「割れた鏡を元に戻す」としました。

キャンバスを鏡として捉えると、そこには自分や周りの風景が逆さまに映ります。
僕は鏡に投石し、バラバラに割れたパズルのようなガラスの破片を、裏返しに組み立てなくてはなりません。

しばらく作業を進めると、鏡のピースが足りないことに気づきます。

2011年は破壊的な現実を前にして、失ったものも多いでしょう。
失ったピースは想像力と技術で埋める必要があるのです。


本年も張り切って絵を描こうと思っています。何卒、宜しくお願い致します。