2016年9月4日日曜日

消えた羽

駅までの道のり、晴れた空は心を少し軽くしてくれます。
総合病院の駐車場前に差し掛かったところで、前方に鳩の柔らかい羽が浮遊しているのが見えました。ゆっくりと辺りを漂いながら、地面に降りてきます。
突然、後方から音もなく、乗用車が僕を追い越していきました。
その勢いで羽は回転し、再び高く舞い上がります。
太陽と羽が重なったとき、眩しくて目を細めると、僕はそれっきり羽を見失ってしまいました。