2016年8月22日月曜日

乾いた音

重く分厚い雲の切れ間から太陽が見えました。
そこだけに日常性があるように感じましたが、実際には普段でも晴れた日ばかりではなく、曇りや雨の日もあります。
敢えていうようなことでもない空模様でも、酷い災害を引き起こす台風が来ても、やはりそれは日常の一部であると思い直しました。

電信柱の側に落ちていた蝉を掴むと、大きな鳴き声をさせながら羽を動かしました。
まだ生きていたことに驚き、近くにあった木にとめると、最後の力を振り絞って飛び上がり、幾度か壁にぶつかって、また地面に踞りました。
壁にぶつかる乾いた音が耳に残ります。
眠るように終焉をむかえる蝉に、いらない波風を立ててしまったことを恥じました。