作者をみると夏目漱石とあります。
これはおもしろいなと早速購入し、部屋でゆっくりと観ることにしました。
山水をモチーフとした作品で、決して上手とはいえませんが、生真面目さを感じる絵です。妙な形の山が丁寧に描かれています。画面の端々まで曖昧な場所がありません。
「青嶂紅花図」という絵は中心に道が通っていて、それを辿っていくと、山間に咲くピンク色の花を見ながら奥の高山の麓までいくことができます。
その道と並んで画面の端に川が流れていることも見逃せません。左下には川を下ってきた小舟が漂っています。
漱石は山道と川の流れで反時計回りの円運動をつくりたかったのでしょう。その証拠に右下には小さく船着き場らしきものを描いています。
技術的にはアングルのバイオリンとはいかないようですが、作画が晩年の楽しみだったのが伝わってきます。
子どもの頃に読んだ「吾輩は猫である」を久しぶりに開いてみました。
はじめの数ページを読んだだけで引きつけられます。
最近はサリンジャーを再読しています。部屋にあるグラースサーガをすべて読み終えたら、漱石を読みなおすのもいいかもしれません。